つらつらと夢から覚めた。
拙作「死者の微笑」の中で本格ミステリ作家「目黒秀明」は最初の一文にそう書いた。
しかし――
「つらつらと夢から覚める」というのは日本語としておかしいらしい……。
そのことは「死者の微笑」を上梓して割とすぐ、ある聡明な大学生(当時二十歳)に指摘された。
まったく恥ずかしい話……。もし機会があれば修正しようと思ってはみたのだが……。
しかし――
どうにもこうにも「つらつらと夢から覚めた」以外に適当な表現が降りてこないのである。
徐に夢から覚めた……。しっくりこない。
不意に夢から覚めた……。違う気がする。
結局のところ、どういうわけか、私の中で目黒秀明は「つらつらと夢から覚める」と書くしか考えられないのである。
「死者の微笑」を書いた当時の私は38歳。まだまだ未熟者であった。しかし、その聡明な大学生に指摘されなければ、56歳の現在でも、私は「つらつらと夢から覚めた」と書いてしまうだろう。そうであれば、66歳になっていても――(66歳は作中の目黒秀明の年齢)。
などいう見苦しい言い訳を「つらつらとブログに書いてみる」私なのであった……。
拙作「死者の微笑」の中で本格ミステリ作家「目黒秀明」は最初の一文にそう書いた。
しかし――
「つらつらと夢から覚める」というのは日本語としておかしいらしい……。
そのことは「死者の微笑」を上梓して割とすぐ、ある聡明な大学生(当時二十歳)に指摘された。
まったく恥ずかしい話……。もし機会があれば修正しようと思ってはみたのだが……。
しかし――
どうにもこうにも「つらつらと夢から覚めた」以外に適当な表現が降りてこないのである。
徐に夢から覚めた……。しっくりこない。
不意に夢から覚めた……。違う気がする。
結局のところ、どういうわけか、私の中で目黒秀明は「つらつらと夢から覚める」と書くしか考えられないのである。
「死者の微笑」を書いた当時の私は38歳。まだまだ未熟者であった。しかし、その聡明な大学生に指摘されなければ、56歳の現在でも、私は「つらつらと夢から覚めた」と書いてしまうだろう。そうであれば、66歳になっていても――(66歳は作中の目黒秀明の年齢)。
などいう見苦しい言い訳を「つらつらとブログに書いてみる」私なのであった……。
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