ほとんど読まれていないけど、ものすごく個性的な暗号ミステリ

から、ふと、孤高の対義語として「孤低」という造語が頭に浮かんだ。
 なのでググると……
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 驚いたことに太宰治が何か書いているようだ。

 徒党について

 抜粋すると

 そうして、その所謂「孤高」の人は、やたらと口をゆがめて「群」をののしる。なぜ、どうしてののしるのかわけがわからぬ。ただ「群」をののしり、己れの所謂いわゆる「孤高」を誇るのが、外国にも、日本にも昔はみな偉い人たちが「孤高」であったという伝説に便乗して、以て吾が身の侘わびしさをごまかしている様子のようにも思われる。

 「孤高」と自らを号しているものには注意をしなければならぬ。第一、それは、キザである。

 私は私なりに「徒党」の苦しさが予感せられ、むしろ「孤低」を選んだほうが、それだって決して結構なものではないが、むしろそのほうに住んでいたほうが、気楽だと思われるから、敢えて親友交歓を行わないだけのことなのである。

 最も苦痛なのは、「徒党」の一味の馬鹿らしいものを馬鹿らしいとも言えず、かえって賞讃を送らなければならぬ義務の負担である。

 新しい徒党の形式、それは仲間同士、公然と裏切るところからはじまるかもしれない。
 友情。信頼。私は、それを「徒党」の中に見たことが無い。

 なるほどね……。